くせ毛とその対策 – ヘナ配合白髪染めヘアカラー専門店 マリノショップ

くせ毛ができる正体

日本人は直毛の人が多いと言われますが、一方でまとまりがなく膨らんでしまうのがくせ毛です。くせ毛の場合、湿気が多い日にボワッと広がってしまい扱いに困ってしまいます。

くせ毛の原因はさまざまです。遺伝要素による先天的なもの、カラーリングによるダメージなどによる後天的なものとくせ毛の原因はさまざまです。

このページにおいて、くせ毛になる原因と対策をまとめてみます。

くせ毛の種類

毛根は毛包に収まっています。毛根がある毛包から毛穴まで真っ直ぐであれば直毛。毛包が弧状になると波状毛。波状毛は日本人に一番多いくせ毛のタイプです。縄のようにねじれている捻転毛。さらに毛母細胞が増殖・分裂する箇所を指す毛球が半円を描いて球状に曲がってしまう縮毛(球状毛)。くせ毛が強く、アフリカ系の人の毛根の形状はこのように半円を描くように曲がっていることが知られています。数珠のように太さがバラバラで、ゴワゴワした感触の連珠毛

くせ毛の原因

成長期による髪質の変化と遺伝

髪の内部に、毛皮質(コルテックス)と毛髄(メデュラ)があります。

毛皮質(コルテックス)は髪の毛の85%から90%を占めています。主にこの部分にメラニン色素が含まれています。

毛髄(メデュラ)は髪の中心に位置し、メデュラの量が多ければ髪が太くなり、少なければ髪が細くなります。

成長による髪質の変化

子供の時は緩やかなくせ毛であったが、大人になると直毛になった人がいます。子供の髪の生成機能が不十分ですが、子供から大人へと成長するにつれて、髪の内部を構成する毛皮質(コルテックス)と毛髄(メデュラ)が多くなり、軟毛だった髪が太く硬くなります。毛皮質のメラニン色素が多くなり、より髪が黒くなります。

子供の時の髪がくせ毛っぽかった人が成長するにつれて直毛になるのは、髪質の変化が原因です。

しかしながら、もともとくせ毛は遺伝に影響を受けやすく、例えば両親がくせ毛の場合、子供は90%遺伝すると言われています。生まれてすぐはくせ毛でないのに、10歳すぎるとくせ毛になる人がいる一つの原因は、毛皮質(コルテックス)にあります。

毛皮質(コルテックス)の不均衡

毛皮質(コルテックス)は二種類あり、一つはP-コルテックス、もう一つはO-コルテックスです。それぞれの特徴は以下の通りです。

  • パルコルテックス・・・硬く、水分を含みにくい
  • オルトコルテックス・・・柔らかく水分を含みやすい

直毛とくせ毛の断面図に違いがあります。直毛はに近く、くせ毛は楕円状です。これは先程のコルテックスのバランスと関係があります。

直毛の場合、この二つのコルテックスが均等に分布しています。雨や湿気で髪が濡れ膨張しても、円に近いまま膨らみ、くせ毛になりにくいのが特徴です。

くせ毛の場合、この二つのコルテックスが不均衡に分布しています。コルテックスの配列の均一性が欠ける分、水分を含みやすいオルトコルテックスの部分がより膨張し髪のうねりや広がりを作り出してしまいます。

水分を含みやすいオルトコルテックスを含む部分が膨張し髪の外側に分布し、水分を含みにくいパルコルテックスを含む部分が膨張し髪の内側に分布しています。

シスチン結合

毛髪はタンパク質で構成されており、最近の研究によれば、そのタンパク質を構成するアミノ酸は21種類あります。

これらのアミノ酸が結合してポリペプタイドになり、ポリペプタイドが束になり、束同士が結合して、毛髪タンパク質になります。ポリペプタイドとは、タンパク質を加水分解して結合切断し、小さくしたものを指します。

このポリペプタイドは4つの結合によってつなげられ、その一つがシスチン結合(ジスルフィド結合、システン結合)です。S-S結合とも言われ、Sは硫黄の元素記号を表しています。シスチンとは、硫黄原子を有するアミノ酸です。システン結合は4つある結合の中で2番目に結合が強く、パーマとして利用されます。

例えば、結合のパートナーを入れ替えることで、髪をストレートにしたり、ウェーブにしたりします。

もともと、直毛の髪は規則正しく結合していますが、くせ毛の髪はチグハグに結合しています。

ではなぜ、くせ毛の髪はチグハグとボタンの掛け違いが生まれてしまうのでしょうか。

シスチン結合の掛け違いの原因は毛穴の歪み

毛母細胞が増殖・分裂した直後は、シスチン結合が切れている状態です。そして、髪が生えていく中で固定されます。

もし毛穴が曲がっていなければシスチン結合も規則正しく結合し直毛になります。

一方、波状毛や球状毛のように毛穴が曲がっていると、この曲がっている部分でシステン結合がボタンの掛け違いをおこしたまま結合し、うねったまま生えていきます。

システン結合は強いため、薬剤でしか切れません。

過度なダイエットによる栄養不足

髪は毛細血管から成長に必要な栄養を与えられます。

そもそも血液からの栄養は生命に関わる組織、詰まり心臓や脳へ最優先に運ばれます。残りの栄養で、髪や爪は作られています。東洋医学で「血余」という言葉が示すところによると、体の隅々まで巡って余った血が髪の毛になるとされています。髪の優先度は他の体の部分の中で最下位であるという考えです。

また、髪の主成分であるタンパク質、それ以外にビタミン、鉄分、亜鉛をバランスよく摂ることで、良質な髪と健やかな頭皮が作られます。

もしダイエットのし過ぎによって髪に十分な栄養が与えられない場合、髪内部を構成するコルテックスやメデュラがしっかり髪に詰まらず、髪の断面が円から楕円形になってしまい、うねってしまいます。

加齢、その他

頭皮も肌と同じように皮膚の一部です。年齢とともに皮脂の量、潤いを与えるコラーゲンの量が減ると、頭皮のハリがなくなり、たるみます。頭皮のたるみによって、毛根から毛穴までの道も歪ませ、髪がうねってしまいます。

その他に、特に女性は40代以降に髪の成長を活性させるエストラゲンが減少し髪が細くなり、カラーリングやパーマ、紫外線が頭皮へのダメージを蓄積します。

加齢による髪質の変化、頭皮のたるみ、さまざまな頭皮のダメージによって、髪のうなりが生まれます。

くせ毛を治すには

遺伝によるくせ毛は、結合が強いシステン結合の性質を持っており、美容室でパーマなどの薬剤でしか、真っ直ぐにできません。真っ直ぐに矯正しても、弧状の毛包を真っ直ぐにすることはできず、新しく生えた髪はくせ毛のままです。

むしろ、くせ毛はストレートの髪にない大きな魅力があります。

  • ピンやゴムでアレンジしやすい
  • 優しく柔らかい雰囲気を出せる
  • 形が潰れず、スタイルが崩れにくい

それでもくせ毛を真っ直ぐにする場合に、短い期間に繰り返しアイロンをかけて縮毛矯正をしたり、熱処理を伴うデジタルパーマをかけたりすれば、髪のパサつき・枝毛・切れ毛を生み、しまいに艶を失います。

自宅での熱処理時間をきっちり守る、信頼ある美容師に相談することが必要です。

加齢による髪のうねりがくせ毛のように見える

頭皮のコンディションを大切にする

もともとくせ毛がない人も加齢や頭皮のコンディションの変化でくせ毛が出てくる可能性があります。どういったことに注意すればいいのでしょうか。

頭皮の炎症によって表皮が荒れ皮膚の構造が変わります。そして、皮膚のターンオーバーが早まると、水分保持力が低下し、やがて乾燥やフケを生みます。気を付けることは、シャンプーで毛穴に詰まった頭皮の皮脂や汗をしっかり落とすこと、そしてそのシャンプーの洗いすぎて余計な皮脂を取り除くことです。また、頭のこりがあれば、頭の血行不良を起こします。

頭皮のコンディションは毛穴の歪みや髪のハリ・コシ・ツヤに影響を与えます。頭皮を乾燥させない、頭皮を清潔にする、マッサージで頭皮を柔らかくすることで、くせ毛が増えるのを防げます。

バランスの良い食事

海藻がいいと言われますが、それは半分のみ本当です。海藻に含まれるミネラルは髪に必要な亜鉛があります。その亜鉛によって、髪の毛を構成するケラチンが生成されます。しかし亜鉛だけでは不十分と言わざるを得ません。ビタミンCと一緒に取った方が亜鉛の吸収率が上がります。「髪の毛を構成する」といったケラチンとは、その髪の成長と元となるタンパク質。肉、魚、大豆を毎日摂るようにしましょう。髪に良い必要な栄養素は、タンパク質・ビタミン・ミネラルです。

水分量は生まれてから年齢とともに減少します。皮脂量は30代がピークです。40代になれば水分量と皮脂量は急激に減っていきます。髪が細くなり、パサつきしやすい年齢になる前から髪に良いバランスの良い食事をするかしないかが、髪のハリ・コシ・ツヤを左右します。

マッサージで頭皮のたるみ防止

1~3分の頭皮マッサージを1日3回継続して行うことで、頭皮の血行が良くなると言われています。

お忙しい人のおすすめのタイミングとして、シャンプーをしながら、指の腹を使って、頭皮がゆっくり動かすことを意識してマッサージしてみてください。

指全体で前の生え際の前頭筋、首の後ろの少し上の後頭筋、耳の上の側頭筋を、両手のひらを使って頭頂部をほぐしましょう。

食事の改善、良質な睡眠は健康面にプラスに

成長ホルモンが分泌されるゴールデンタイムは、午後10時から午前2時の間と言われています。成長ホルモンには体の成長を促す機能があります。細胞の働きを高め、骨や筋肉、血、細胞等を作り成長させます。新陳代謝も活発になります。もちろん、髪を作る毛母細胞はより増殖していきます。寝る直前の食事や飲酒を避けると、体に負担をかけずに、良質な睡眠をとることができます。

遺伝によるくせ毛は髪内部でシスチン結合という強い結合で結ばれているため、美容室で薬剤を使って真っ直ぐにできます。40歳以降に見られるくせ毛は加齢によるものです。60歳をすぎると、女性ホルモンの減少でより一層くせ毛が強くなります。くせ毛をより穏やかにするために、

  • バランスの良い食事をとる
  • 過度なダイエットを避ける
  • 睡眠時間を確保する
  • 頭皮のケアを怠らない(自分に合うシャンプーを選ぶ、短時間のヘアカラーの繰り返しを避ける)

といったことが、健康そのもののためにも、長く健康な髪を持つために重要であるといえるでしょう。

もしくせ毛が増えてきたのであれば、生活習慣見直しのサインととられ、積極的に対策をとってみてください。